ピクウィック・ペーパーズ
あぽろん社刊 チャールズ・ディケンズ著/田辺洋子訳
本訳書『ピクウィック・ペーパーズ』はクラレンドン版The Pickwick Papers ed. James Kinsley (1986) を原典とし、校合は原則としてチャールズ・ディケンズ版(1867)に拠る。原作は1836年4月から翌11月まで月刊分冊形式で刊行され、正式名はThe Posthumous Papers of the Pickwick Club Containing a Faithful Record of the Perambulations, Perils, Travels, Adventures and Sporting Transactions of the Corresponding Menbers(『通信班の漫遊、危険、旅行、冒険、並びに狩猟手続きの忠実な記録を含むピクウィック倶楽部遺文録』)。 |
[上巻]A5判・492頁・ISBN4-87041-546-1 2002年7月20日発行
特別価格 本体3,000円+税
凡例 編者序説抄 献辞 初版序文 主要登場人物 |
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1 | 第一章 ピクウィック倶楽部の面々 第二章 初日の旅と初晩の冒険。その顛末も交えて |
2 | 第三章 新たな知己。『旅芸人の物語』――不快な中断。とんだ鉢合わせ 第四章 野外演習日と野営地――またもや新たな知己。田舎への招待 第五章 短い章――わけても、如何にピクウィック氏が馬を御し、ウィンクル氏が馬に跨らんと請け合い、如何に御両人、それをこなせしか審らかにさる |
3 | 第六章 古式床しきトランプの夕べ――牧師の吟唱――『囚人の帰郷』の物語 第七章 如何にウィンクル氏はハトを狙い、カラスを射留める代わり、カラスを狙い、ハトを傷つけしか。如何にディングリー・デル・クリケット・クラブはオール・マグルトンと対戦し、如何にオール・マグルトンはディングリー・デルの掛かりで呑み食いせしか。他の興味津々たる教訓的な逸話も交えて 第八章 真の恋路は鉄の道にあらず、との哲理を地で行くの章 |
4 | 第九章 駆落ち捕り物帳 第十章 ジングル氏の人格の無欲恬淡にまつわる疑念が(たといあったにせよ)悉く晴れるの章 第十一章 お次の旅と好古家的発見を含む。ピクウィック氏の選挙見学の決意を記し、老牧師所蔵の手記を載録す |
5 | 第十二章 ピクウィック氏の側における極めて由々しき所業を巡って――当該冒険 譚のみならず氏の人生にとっての画期的事件 第十三章 イータンスウィル小景。当地の派閥争い、並びにかの忠実にして愛国的な古都を代表する国会議員選挙模様 第十四章 『孔雀亭』に集いし一座の寸描、並びに御用聞きの昔語りを含む |
6 | 第十五章 傑人夫妻の素顔、並びに夫妻の邸内にて催されし朝餉園遊会の模様。くだんの園遊会にてさる古馴染みに出会し、よって次章の幕が開く 第十六章 かいつまむには波瀾万丈に過ぐるの章 第十七章 リューマチの発作も症例によっては、創意工夫の才に拍車を掛けるを証す |
7 | 第十八章 二点を如実に示すの章――一つ、ヒステリーの脅威。二つ、偶然の不如意 第十九章 愉快な一日、して不快な幕切れ 第二十章 如何にドドソン・アンド・フォッグが仕事人にして、彼らの事務員が遊び人なりしか、如何にウェラー氏と久闊の御尊父との間に感動的な再会が出来せしか審らかにさる。併せて如何なる選りすぐりの面々が『カササギと切り株亭』に集い、次章が如何なる華々しき章とならんか |
8 | 第二十一章 老人が十八番の昔語りに花を咲かせ、『奇妙な依頼人の話』を諳ずるの章 第二十二章 ピクウィック氏はイプスウィッチへ旅立ち、黄色い髪巻き紙の年増婦人とのロマンティックな椿事に巻き込まれる 第二十三章 サムエル・ウェラー氏、トロッター氏との雪辱戦に本腰を入れ始めるの章 |
9 | 第二十四章 ピーター・マグナス氏は焼きモチを焼き、黄色い髪巻き紙のご婦人は気を揉み、お蔭でピクウィック倶楽部の面々がお縄となるの章 第二十五章 数ある慶事の中でも、如何にナプキンズ氏が厳粛にして公平なりしか、如何にウェラー氏がジョブ・トロッター氏に一矢を報いしか、審らかにさる。いささか趣を異にする他事も交えて 第二十六章 バーデル対ピクウィック訴訟の進捗状況の寸描込みの |
10 | 第二十七章 サムエル・ウェラー、ドーキングに詣で、継母に見ゆ 第二十八章 ゴキゲンなクリスマスの章。婚礼の模様、並びにそれ自体は祝言にも劣らず結構な仕来りなれど、当今の猥りがはしき御時世にあってはさまでしめやかに耽られぬ他の気散じも交えて 第二十九章 『墓堀り男をかっさらった悪鬼の話』 |
訳注 地図 ディケンズ略年譜 |
[下巻]A5判・484頁・ISBN4-87041-547-X 2002年7月20日発行
特別価格 本体3,000円+税
11 | 第三十章 如何にピクウィック倶楽部員がさる自由業に携わる二人組の好青年と親交を結び深め、如何に一行が氷上で戯れ、如何に初訪問が幕を閉じしか 第三十一章 専ら法学、並びに斯界の重鎮諸兄を巡って 第三十二章 は、バラの間借り先なるボブ・ソーヤ氏主催のチョンガーの宴を法廷記者顔負けに委曲を尽くして審らかにす |
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12 | 第三十三章 親父のウェラー氏、さる綴り方を巡って薀蓄を傾け、息子のサムエルをお供に、赤鼻の牧師にささやかな「借り」を返しに繰り出す 第三十四章 は、ひたすら、世紀のバーデル対ピクウィック公判の模様を忠実にして余す所なく報ず |
13 | 第三十五章 ピクウィック氏はバース遊山を思い立ち、よって彼の地に赴く 第三十六章 主として、『ブレイダッド王子の伝説』の決定版、並びにウィンクル氏の身に振りかかりし、とんだ御難を取り扱うの章 第三十七章 は、ウェラー氏の招かれ行きし夜会の模様を審らかにすることにて、あっぱれ、氏の不在を釈明す――併せて、如何に氏がピクウィック氏より繊細にして肝要な内密の使命を託されしか物語る |
14 | 第三十八章 如何にウィンクル氏は小難を逃るや、泰然自若として大難に陥りしか 第三十九章 サムエル・ウェラー氏、愛の使命を託かり、一肌脱ぐ。首尾の如何は、以下御覧じろ 第四十章 は、ピクウィック氏を人生の一大ドラマの新たにして、味気なくもない一場に請じ入れる |
15 | 第四十一章 フリート入獄に際し、ピクウィック氏の身に何事か降りかかり、そこにて氏が如何なる囚人に見え、如何に一夜を過ごせしか 第四十二章 前章同様、「落魄らば見知らぬ者とも一つ宿」との俚諺を地で行くの章。併せてピクウィック氏、サムエル・ウェラー氏に尋常ならざる瞠目的所信を表明す 第四十三章 サムエル・ウェラー氏のクビが如何で回らなくなりしか |
16 | 第四十四章 は、フリートにて出来せし諸々の些事、並びにウィンクル氏の不可解な行動を扱い、併せて如何に哀れ、大法官庁囚人が終に「釈放」されしか審らかにす 第四十五章 サムエル・ウェラー氏とさる家族連れとの感銘深き面会を巡って。ピクウィック氏は自ら起居する小世界を周遊し、向後は能う限り蟄居す意を固める 第四十六章 は、ドドソンとフォッグ両氏によりて焼かれし、悪ふざけめかぬでもない、大きなお世話を記す |
17 | 第四十七章 は、専ら事務的用件、並びにドドソン・アンド・フォッグの三日天下を巡って。――ウィンクル氏が尋常ならざる状況の下に舞い戻り、さしものピクウィック氏の依怙地も持ち前の情けにシャッポを脱ぐ 第四十八章 は、如何にピクウィック氏がサムエル・ウェラーを助っ人に、ベンジャミン・アレン氏を言いくるめ、ロバート・ソーヤ氏をなだめすかさんとせしか審らかにす 第四十九章 『御用聞きのおじの物語』込みの |
18 | 第五十章 如何にピクウィック氏が一肌脱ぎに馳せ参じ、如何にその出鼻において、やぶから棒なる掩護射撃を受けしか 第五十一章 ピクウィック氏は古馴染みと鉢合わせになり、専らさなる棚ボタ故に読者はかの二大編集長がらみの手に汗握る一戦に見ゆ 第五十二章 ウェラー家の一大異変、並びに赤鼻のスティギンズ氏の時ならぬ失墜込みの |
19-20 | 第五十三章 ジングル氏とジョブ・トロターの『花道』込みの。併せてグレイズ・イン・スクェアにおける華々しき業務の朝。挙句はパーカー氏のドアなるダブル・ノック 第五十四章 ダブル・ノックにまつわる詳細、並びに他事を含む。就中、スノッドグラス氏とさるお若い御婦人を巡る興味深き発見は当該冒険譚に関係なきにしもあらず 第五十五章 ソロモン・ペル氏、選り抜き御者委員会協賛の下、親父のウェラー氏の身辺を整理す 第五十六章 ピクウィック氏とサムエル・ウェラーは膝を突き合わせ、ウェラー御大も嘴を突っ込む。――嗅煙草色の上下の御老体の不意の到着 第五十七章 ピクウィック倶楽部は終に解散し、万事、大団円を迎えるの章 |
補遺(一)月刊分冊声明文 (二)廉価版、ライブラリー版、チャールズ・ディケンズ版序文 訳注 地図 解説:『ピクウィック・ペーパーズ』におけるサム・ウェラーの位置づけ 訳者あとがき |